せどりをはじめて最初に立ち塞がる大きな壁が仕入れです。
逆に言えば、仕入れさえできればせどりなんて何とでもなるネットビジネスなので、初心者のうちはいち早く仕入れのスキルを身に付けることを意識して取り組むのがいいですね。
当『Life Buffering Media』では、過去に実店鋪せどりと電脳せどりのそれぞれの仕入れ手法について具体的に解説した記事を執筆しました。
せどりの仕入れを実店舗で行う場合の手順を具体的に解説します。 電脳せどりの仕入れ手法を徹底解説part.1 アマゾンからリサーチするやり方とは? 電脳せどりの仕入れ手法を徹底解説part.2 ネットショップからリサーチするやり方とは?これらの記事を見るだけで、仕入れの手順は理解出来ると思うのですが、問題は「どんな商品なら仕入れる価値があるか?」という仕入れの可否基準です。
仕入れの可否を判断するに際しては、以下の2つの点を確認する必要があります。
- その商品のAmazonにおける売行き
- その商品をAmazonで出品した際の想定販売価格
売行きを確認しなけば、仕入れたって売れないかもしれないし、販売価格を予測して仕入れなければ、実際に利益が出るかわからないので、この2つは必ず確認すべきですね。
そこで本記事では、新品商品を仕入れる際の想定販売価格の調べ方について詳細に解説していきます。
なお、以下の記事では、売行きの判断基準となる平均ランキングについて解説していますので、合わせて確認してみてください。
ランキング基準を覚えて仕入れの判断をしよう!回転率を踏まえた平均ランキング一覧。新品商品はカートを獲得しなければ売れない
まず大前提として、新品商品をAmazonに出品して実際に販売へ結びつけるためには、Amazon商品ページにてカートを獲得しなければ話になりません。
カートとは、『ショッピングカートボックス』の略称であり、商品ページのトップに表示されている出品者の出品商品を指しています。
こちらの商品は新品出品者が6人いますが、そのうちの1人が赤枠で囲った部分に表示されており、『カートに入れる』ボタンをクリックすると自動的にその赤枠に表示された出品者から商品が購入されることになるんです。
中古商品の場合であれば、商品コンディションの詳細を確認した上で購入したい人が多いので、出品者一覧を開いて出品者を吟味するはずですが、新品商品の場合は誰から購入しても同じなので、出品者をわざわざ確認せずに商品トップページから『カートに入れる』ボタンを押すのが一般的です。
そのため、新品商品の場合はカートを獲得することが販売の絶対条件なのです。
カート獲得条件と販売価格設定の重要性
Amazonは、複数の条件を総合的に加味して、出品者ごとにカート獲得率を変更しています。
- 大口出品者であること
- 在庫状況が良好であること
- 出品者信頼度が高いこと
- 販売価格が安いこと
これらの条件をもとに、より条件に沿った出品者が長い時間カートを獲得出来るように、Amazon独自の基準でカート獲得率を決定しているんです。
詳しくはAmazonホームページで確認しておきましょう。
参考 ショッピングカート獲得資格Amazon大口出品者であること&在庫状況が良好であること
まず大前提として、大口出品者でなければカートを獲得することが出来ないので、せどりで本当に稼ぎたければ必ず大口出品者登録を行う必要があります。
せどりの最初の一歩!まずはAmazonの出品者登録をしよう!そもそもFBAを利用するためには大口出品者登録が必須なので、「最初はこつこつ小口から始めて…」なんて考えは捨てましょう。
Amazon FBAを利用する2つのメリットを分かりやすく解説します!大口出品者登録をしてFBAサービスを利用していれば、在庫状況はAmazon側が良好に保ってくれるので、「在庫状況が良好であること」という条件は特に気にする必要はありません。
出品者信頼度が高いこと
出品者信頼度は、出品期間、評価、注文不良率といった指標をトータルして判断されるものです。
出品期間や評価数については、実際にAmazon出品を始めてある程度の期間が経過しなければ蓄積されない指標ですので、現時点で自力でどうにか出来るものではありません。
また、高評価率や注文不良率については、購入してくれたお客さんが付ける指標であるため、これも今すぐに自力で上げることが出来るものではありません。
つまり、出品者信頼度は長期にわたるAmazon出品とそれに対する向き合い方で変化する指標であるため、今すぐに改善しようのないものなんです。
販売価格が安いこと
販売価格は、文字どおり商品の売値を表す指標です。
販売価格が安ければ安いほどカート獲得率は向上し、逆に販売価格が高ければ高いほどカート獲得率は低下します。
他の出品者に対してあまりに高すぎる価格設定では、カートを獲得することが不可能と考えて下さい。
4つの条件を詳しく見ていくと、この「販売価格が安いこと」という条件だけは今すぐに自分の手で決めることが可能な条件であり、カート獲得を目指すなら販売価格を正しい数字に設定することが非常に大切です。
安くしすぎても利益が出なくなってしまいますから、丁度よい価格設定を目指しましょう。
販売価格の想定方法
上述したように、新品商品はカートを獲得しない限り販売機会がなく、カートを獲得するには適正な販売価格設定を行う必要があるため、仕入れの時点において「どれくらいの価格設定ならカートを獲得出来るか」を想定しておく必要があります。
そして、その想定販売価格で商品が売れた場合に、利益が出るか否かを判断して、商品を仕入れればいいのです。
では、カートを獲得するための適正販売価格について説明します。
基本はFBA出品者の最低価格に合わせる
本記事はFBAの利用を前提に執筆していますので、FBA利用者がカートを獲得するための適正販売価格について説明していきます。
FBA利用者がカートを獲得するためには、他のFBA利用者のうち最低価格に合わせて価格設定することが基本中の基本です。
たとえば、こちらの商品について、新品出品者一覧を開くと価格の安い順に出品者一覧が表示されます。
販売価格の横に『✓prime』というマークが付いていると、その出品者がFBA出品者であることを表しています。
この商品については、最低価格がFBA出品者の4,579円ということになりますね。
この場合、自分がこの商品を出品する場合も、カートを獲得するにはFBA最低価格の4,579円に合わせるのが大原則であり、仕入れの時点で「この商品は4,579円で売れそうだな!」という想定が出来るわけです。
ちなみに、こちらの商品のように最低価格がFBA出品者でなく自己出品者である場合もあります。
自己出品者が5,800円という最低価格で販売を行っており、FBA出品者の最低価格は6,190円と割高に見えますね。
ところが、大口出品者登録をしてFBAサービスを利用している場合、上述したようにカート獲得率に寄与する各種の条件で非常に有利になるため、自己出品者より多少高めの価格設定でもカートを獲得出来るんです。
この商品も自己出品者の最低価格である5,800円より390円高い価格設定のFBA出品者がカートを獲得していますね。
このように、カート獲得を前提として販売価格を予測する際は、まずはFBA出品者の最低価格に合わせて考えましょう。
FBA最低価格と自己出品最低価格の差に要注意
ここで1つ、重要な注意点があります。
FBA最低価格が自己出品最低価格に対してあまりにも高い場合、自己出品者がカートを獲得してしまい、自分にカートが回ってこないことがあるので注意しましょう。
例えばこちらの商品について、Amazon最低価格は自己出品者の5,000円となっています。
この出品者一覧をスクロールしていくと、FBA出品者の最低価格が6,980円であることがわかりました。
自己出品者の最低価格5,000円に対して、1,980円も高い価格設定であるため、これではAmazon側もFBA出品者の優位性を認めてくれず、FBA最低価格に合わせて出品してもカートを獲得出来ないのです。
それでは、「自己出品者の最低価格に対してどの程度まで高い価格設定が許容されるか」と言うと、これには明確な基準がなく、感覚的に「自己出品最低価格よりも高すぎない価格設定」を行うしかありません。
1つの基準を示すのであれば、低価格帯の商品なら+5~10%ほど、高価格帯の商品なら+300~800円ほど、自己出品最低価格に対して高く設定してもカートを獲得出来たことが多々ありますね。
これはあくまで経験に基づく基準でしかないので、皆さんも自分なりに試しながら「どの程度までなら高く設定してもカートを獲得出来るか」を考えていくと、せどり初心者から一気に中級者へと進歩していけますよ。
終わりに
本記事では、せどりの仕入れ基準として、新品商品のAmazon販売価格の想定方法について説明してきました。
別記事で中古ゲームの販売価格想定方法についても説明していますので、そちらも合わせてごらんください。