Amazonせどりに取り組む中で避けては通れないのが出品者評価。
Amazonでは、商品購入者は購入後に5段階評価で出品者を評価することができるわけですが、その評価の蓄積が出品者の信頼性に繋がっていくんです。
Amazonで商品を買うときに、購入者はこのような出品者評価をみることができます。
過去12ヶ月の評価数が何件なのか、そしてそのうち高い評価が何%なのかを確認できます。
これをみて、「この出品者は信頼できるな」なんて判断をすることができるわけですね。
当然のことながら、僕たち出品者としては如何に高い評価を維持できるかが大切なんですが…。
せどりを始めたてでまだ評価数が少ないうちって、たった一つ低評価が付くだけで一気に高評価率が下がるんですよ。
評価数3件中高評価3件なら高評価率100%ですけど、次の評価が低評価であれば一気に75%まで落ちちゃうと。
ここでナイーブになっている人は多いんじゃないでしょうか。
これ以上評価を落とせない…。
そんな気持ちを抱え、せどりに対して慎重になっている人もいるはずです。
そこで本記事は、今後出品者評価に悩まされなくてすむよう、戦略的にせどりの仕入れ販売を行う手順をお話していきます。
購入者の評価が出品者に及ぼす影響
そもそも、購入者による評価が我々出品者にどんな影響を及ぼすのか、あらためておさらいしておきます。
上述した高評価率は、評価数の全体に占める高評価数の割合を示す数値です。
高評価率=(高評価数÷全評価数)✕100
この高評価率が高ければ高いほど、出品者としての信頼性は高まっていくわけですが、注意すべきポイントはこの『高評価数』ですね。
Amazonにおける出品者評価は、星5段階で表されるんですが、そのうち高評価に該当するのが★4または★5です。
ここで問題になるのが★3。
★3は『普通』を表しているので、出品者としては特段問題のない評価であるはずなんですけど、高評価ではないため高評価率を下げてしまう悪魔の評価値なんですよ。
一度付けられた評価は特別事情のない限り削除することが難しいし、購入者も悪気があって★3を付けるわけじゃないので事前に防ぎようもない。
このため、せどりに対して真摯に取り組んでいる人であっても、★3を付けられてしまうことによって高評価率が低下してしまい、以下のような悪影響を受けてしまう可能性があるんです。
新品商品のカート獲得率低下
高評価率が下がると、これに応じて新品商品のカート獲得率が下がってしまいます。
新品商品はカートを獲得していなければ売れないと言って差し支えないので、これはかなり大きなダメージですね。
カート獲得率は高評価率のみで決定されるわけではなく、出品価格、出品者としての運営年数、評価数なども総合的に勘案して決定されます。
付与するAmazonポイントなんかもカート獲得率に影響すると言われています。
Amazonポイントでカートを獲得すれば商品は飛ぶように売れる?!なので、一概に評価が低いだけで全くカートがとれないってことはないんです。
だけど、カート獲得率が高ければ高いほどカート獲得時間が長くなるわけで、カート獲得時間が長い=商品販売機会が増えるということです。
つまり、高評価率が高いほど売上も伸びるし、不良在庫を抱えるリスクも低減できるんですよ。
そう考えると、やはり少しでも高評価率を高く保っておきたいところですね。
高評価率の目安は95%以上なんて言われています。
ただし、高評価率がどの程度カート獲得率に影響を及ぼすのかは公開されていないので、その影響はAmazonのみぞ知るといったところ。
中古商品のライバル競争率低下
中古商品の購入者は、出品者一覧から商品の詳細なコンディションやコメント欄をチェックして、購入する出品者を吟味します。
オレンジ枠のコンディション・コメントをチェックするということですね。
ほとんどの出品者は、ライバル価格に合わせるように自動で価格調整をしてくれるツールを導入しているので、同一価格にライバル出品者がいる場合がほとんどです。
コンデイション・コメントや商品価格でほぼ差がないとき、どちらの出品者から商品を購入するかと言えば、『高評価率が高い出品者』を選ぶのがふつうでしょう。
青枠の部分をみるわけですね。
つまり、中古商品の販売にも高評価率は大きな影響があり、低評価ばかり付いてしまうと中古販売のライバル競争に負けてしまうわけです。
最悪のシナリオはアカウント停止
高評価率があまりにも低いと、最悪の場合アカウント停止となるリスクもあります。
といっても、高評価率が直接的にアカウント停止に結びつくわけじゃありません。
アカウント停止にもいくつかの条件があるんですが、評価との相関がある項目だと以下のような要件が挙げられますね。
- 偽物を販売した場合
- 注文不良率が規定値に達しない場合
偽物を販売したつもりはなくとも、購入者が「これは偽物だ」とか「贋作に違いない」と判断して低評価をつけると、Amazonセラーセントラルから出品者にメスが入ります。
偽物ではないという証拠として仕入れ時の注文者を提出するなど、予期せぬ対応が必要となる場合も。
低評価ばかり付いている出品者だと「怪しいな」と思われて然るべきなので、疑われるリスクもあるってことですね。
注文不良率は、販売した商品のうち購入者から返品を受けて商品の割合を示す指標です。
高評価率が低く低評価ばかり付いている出品者は、返品を受ける機会も多いのでこの注文不良率が悪化し、最悪の場合アカウント停止に至ると。
大前提として、まっとうにせどりをしていれば極端に高評価率が低くなることもないし、アカウント停止に追い込まれるほどの事態に遭遇することもないです。
だけど、『低評価がつく』ということは以上のようなリスクをはらんでいるのだと頭に入れておきましょう。
評価を気にしすぎなくても商品は売れる
・評価を95%以上に維持するとか厳しい…
・もうすでに低評価を付けられているのにこの先大丈夫だろうか…
そんなふうに憂鬱な気持ちになっている人もいるかもしれないですね。
ただ、長期間にわたりまっとうにせどりに取り組んでいたら高評価率が90%を下回ることってまずないし、最悪のケースでも80%を下回ることはありえないです。
評価数の少ない初期は高評価率が安定しなくても、ある程度の期間アカウントを運用して評価数も増えてくれば、高評価率は90%以上に収束していきます。
そして、巷では「95%以上が理想」と言われる高評価率ですが、これを下回るからといって極端にカート獲得率が下がるとか、ライバル競争力が下がるなんてことはないので安心してください。
僕のコンサル生でも、初期に予期せぬ低評価をくらったことで80%台がしばらくの期間続いた方がいましたけど、普通に仕入れた商品は売れてましたので、あまり気にしすぎないのが吉ですね。
ここで是非覚えておいてもらいたいこと。
短期間で売上をどんと引き上げるように、どんどん仕入れ&販売を繰り返していれば、評価数も短期間で増えていくので、予期せぬ低評価を気にする必要がなくなっていきます。
逆に、高評価のため慎重になるあまり商品販売数が伸びなければ、評価数もなかなか増えず、いつまで経っても『たった一つの低評価で高評価率が大きく変化してしまう』状況が続いてしまいます。
なので、95%というどこからきたのか分からない数値基準を気にして慎重になるくらいなら、どんどん商品を仕入れて売っていきましょう。
気づいたときには高評価率95%超えで安定しているくらいがちょうどいいですね。
評価に悩まされないせどり販売戦略
さて、高評価率を気にしすぎても仕方がないといっても、せどり初心者~中級者の方で評価数がまだまだ少ない状況だとナイーブになることもあるでしょう。
気にするなって言われるほど気になるものだったりしますしね。
そこで、以下のような手順でせどりの仕入れ・販売を行ってみてください。
購入者の評価を出品者がコントロールすることはできない。
そのかわり、低評価に悩まされる状況に陥らないように、戦略を立ててせどりに取り組むことはできる。
最初は新品商品を中心に仕入れ販売
評価数が少なく一発の低評価で大きな痛手を追ってしまうせどり初期。
この時期は新品商品をメインに取り扱うといいです。
もちろん、長い目で見れば中古商品も取り扱った方が、新品と中古の両輪で売上も一気に伸びていきます。
僕自身も電脳せどりで取り扱っている商材は新品に限りませんし、中古ゲームせどりはかなり得意なジャンルですし。
ただ、中古商品っていくら丁寧にコンディション・コメントを記載しても、★3以下の評価を付けられてしまうリスクがあるんですよね。
自分が「比較的キレイな商品だな」と思っていても、それが購入者の期待値を超えるほどキレイな商品かどうかはぶっちゃけわからないんです。
「多少傷がございます」と慎重にコンディション・コメントを書いても、「かなり傷が多かった」と低評価を付けられることがたまにあるんですよ。
もちろん、評価は購入者の主観で付けていいものですから、こちらが「この評価は不当だ!」とAmazonに訴えかけたところで評価は消えません。
評価数の少ない初期に、中古販売で避けては通れない低評価リスクを背負うのは得策じゃありません。
ということで、初期は新品商品の仕入れに集中するといいですね。
そもそも、評価数の少ないうちはライバル競争力も低く、中古商品が売れにくい傾向にありますので、無理に中古に手を出す必要はないです。
低評価は積極的にセラーセントラルへ報告
新品商品を取り扱い、徐々に評価数を貯めていきます。
場合によっては、新品商品であっても★3以下の評価がついてしまう可能性はあります。
★2や★1のような低評価は付かなくとも、『普通』の評価である★3を悪気なく付けられてしまうことはありますから。
もしもこのような★3以下の評価がついてしまった場合は、必ずAmazonセラーセントラルのテクニカルサポートに評価削除依頼を行ってください。
セラーセントラルにログインしたら、『パフォーマンス』から『評価』を選択。
評価一覧が表示されたら、低評価が付いていないかチェック。
★3以下の評価がついていたら、アクションタブから『削除を依頼』を選択しましょう。
依頼後しばらくして、テクニカルサポートが削除すべきと判断した場合はこの一覧から評価が消えています。
新品商品を取り扱っているなら、初期不良を除き商品自体に不備はないのが大前提なので、購入者から低評価を付けられるとしたら以下のいずれかの理由である可能性が高いです。
- 配送日時が指定どおりでなかった
- 商品の機能や使い勝手が悪かった
- 商品外装に傷・破れがあった
これらの理由で低評価を付けられた場合、テクニカルサポートに評価を削除してもらえる可能性が十分にあります。
セラーセントラルでは、評価削除のための条件として以下の項目が明文化されています。
- コメントの中に卑猥または冒とく的な言葉が含まれている場合。
- コメントの中にメールアドレス、名前や電話番号などの出品者の個人情報、またはその他の個人情報が含まれている場合。
- コメントが商品レビューに終始する場合。
- コメントの内容がAmazonから出荷した注文に関するもので、出荷方法またはカスタマーサービスに特化したものである場合。
引用元:Amazon Seller Central よくある質問より抜粋
要するに、商品そのものに関する機能や使い勝手についてのレビューである場合や、FBA倉庫からの発送に関して不備があった場合については、評価削除の対象になると。
FBAを利用して新品商品の販売を行っているのであれば、大抵このうちの一つに該当するはずですから、評価削除の対象になる可能性が高いということですね。
なお、たまに「この評価レビューは文面を見る限り削除できそうにないな…」なんてこともあります。
けど、こういった場合もぜひ評価削除依頼をしておくのが懸命です。
こちらの判断では削除不可であっても、テクニカルサポートの判断では削除の対象になる可能性だってありますので、ダメ元でも依頼は出しておきましょう。
評価数30件以上となったら中古仕入れ販売
そうこうして、評価数を増やしつつ不都合な評価を削除依頼していれば、せどり初期の評価数が少ない時期でも大概90%前後の高評価率を獲得できます。
そして、評価数が30件もたまる頃には、高評価率95%前後には収束しているはずです。
これくらいのタイミングで中古商品の仕入れも積極的に取り入れていきましょう。
評価数が30件もあれば、中古商品販売による避けがたい低評価に見舞われてもそこまで大きなダメージにはなりません。
例えば、30件の評価件数のうち2件が低評価だったとして、この時点での高評価率は93%。
ここで中古を取り入れることによっていきなり低評価を受けたとしても、高評価率は90%に下がる程度です。
立て続けにもう一件低評価を受けても高評価率は88%。
つまり、最悪のケースを想定しても高評価率が大きく変動することはないわけですね。
これくらい評価数がたまってから中古商品を取り入れれば、最悪のケースでも90%程度は維持できますし、まっとうに運営していればそんなに頻繁に低評価が入ることもありませんから、さらに評価数が増えていけば95%前後には収束していきます。
このように、『ある程度高評価の貯金がある状態』になってから中古商品を取り入れてやることで、高評価率に対してナイーブになる必要がなくなります。
そして、『信頼に足る程度の評価数があり、高評価率もそれなりに高い』状況での中古販売は、ライバル競争に競り勝ってどんどん商品が売れていくのです。
評価依頼メールで評価数を稼ぐ
あとは、新品商品と中古商品の両輪でどんどん仕入れてどんどん出品していくだけ。
すると、必然的に一ヶ月あたりの商品販売数も増えていくので、評価数も増えて高評価率が安定していきます。
ここでポイントとして、いち早く評価数を増やして高評価率を安定させるために評価依頼メールを活用しましょう。
評価依頼メールとは、商品購入後のお客様に出品者の評価を依頼するために送るメールのことです。
通常、商品を購入するとAmazonから評価を促すメールが送られてきます。
こんな内容のメールですね。
ただ、このメールは『Amazonマーケットプレイスでのご購入
つまり、購入した商品の状態や配送に不満がない購入者は、出品者評価をしてくれる可能性が低いんですよ。
そこで、Amazonからの上記メールとは別に、直接的に評価を依頼するメールを送りましょう。
評価依頼メールの文面については、ネット上にいくらでもフォーマットが転がっているのでこれを自分なりにリライトすればいいんですが、一点注意があります。
それは、“高評価を促す文面”でメールを送ってはいけないということです。
★3を付けられると『普通』の評価にも関わらず高評価率が下がってしまうわけですが、これを避けたいあまりに「★3は出品者にとって不都合なので~」とか「満足いく商品であれば★4以上の評価を~」といったメールを送るのは禁止されています。
そのようなメールを送った場合、警告の対象となりますので、必ずシンプルに評価を促す文面でメールを送りましょう。
なお、毎月何百件も商品を販売し、その度に評価依頼メールを手作業で送るのは時間の無駄ですので、大抵の出品者はツールをつかって自動で評価依頼メールを送っています。
僕はマカドという出品管理ツールを使って商品の出品作業や利益の自動計算を行っていますが、このマカドには評価依頼メールの自動送信機能もついているので、こういったツールを活用するといいですね。
電脳せどりにおすすめのツールはマカド|体験して分かった稼げる活用術ちょっと計算してみたんですが、評価依頼メールを送ったとしても全購入者のうち出品者評価をしてくれる人って3~6%程度でした。
それくらい評価ってしてもらえないものなので、極力多くの人に評価をいれてもらえるように対策しておきましょう。
とにかく評価数を増やして、「大量の評価数によって、たまに入ってしまう低評価をかき消してしまう」という考え方ができれば、売上も好調に伸びていきます。
終わりに
以上のように戦略的にせどりを行っていけば、高評価率に悩まされて極端に慎重になりすぎることもありません。
そもそも、せどりで収益を生み出すためには“売ってなんぼ”みたいなところがあるので、あまり気にしすぎずに黙々と仕入れを繰り返す方が結果に繋がります。
集中して仕入れのリサーチに時間を割くためにも、評価をいちいち気にしなくて済むような流れでせどりに取り組んでいきましょうってことですね。