10年ほど前のこと。
大学院生として日々の課題や研究に追われていた僕は、大学院を辞めたくて悶々としていました。
・修論書くのしんどい…
・論文読むのも大変…
・英文とか苦手だし…
・専攻への興味があまり…
じゃあ何で大学院まで行ったんだよって話なんですが、学生時代の僕に深い考えなんてなく、「まぁ自分の経歴から考えたら大学院に進学するのが普通だろう」ってくらいの意識でしたね。
大学院への進学理由
- 理系学部だったから
- 就職に有利だったから
- まだ働きたくなかったから
専門分野に興味を持って大学院に進学する人はまだしも、上記のような理由で何となく大学院に進学する人って意外と多いんじゃないでしょうか?
そして、僕と同じように「何となく」大学院に進学したあなたは今、大学院がしんどくて辞めたくて堪らないと思っていませんか?
「今後どんなライフスタイルを築き上げていくのか」という、人生レベルで最も重要な働き方の分岐点になるんですよ。
大学院を辞めたくて仕方がなかった10年前の僕は、結局修士号取得までの2年間を耐え抜き、無事就職に至りました。
「大学院を辞めなかった」という選択自体には何の後悔もしていません、今となってはそんなことむしろどっちでもよかったと思います。
大切なのはその後数十年続く社会人生活をどう生きるのか。
現在、ネット物販やウェブマーケティングコンサルといった分野で個人起業を果たし、ノマド的なライフスタイルを送っている僕ですが、その決断に至ったのは30歳を過ぎてからなんですよね。
プロフィール大学院を辞めたいと思いながら環境に流されるまま惰性で生きてきた僕は、「あんな働き方で毎日を遅れたら幸せだろうな…」という正直な思いに蓋をし続け、結局理想の働き方を選択するまでに7年ほどの月日を要したんです。
就職に響くのが怖くて大学院を辞められない
そもそも、あなたが大学院を辞めたいけど辞められない理由って何ですか?
辞めれない理由
- 親に申し訳がないから
- キャリアに傷が付くから
- 就職に響くから
僕の場合はこれらの理由で大学院を辞められませんでした。
だいたい皆同じような理由じゃないですかね?
大学院を辞められないのって、総じて就職をゴールに設定していることが原因なんだと思います。
結局のところ、就職というたった一つのゴールに向かって走っていることが原因なんですよね。
どれだけ大学院がしんどくても、ゴールテープを切るまではこのマラソン大会からリタイアすることはできない。
就職活動というマラソン大会でリタイアすることは、人生そのものからリタイアするということ。
就職なんて誰が決めたわけでもないゴールなんですけど、「どんなに辛くても大学院を卒業しないと人生終わる」なんて思っちゃうものなんですよね。
人生のゴールなんて一つじゃないのに。
とまぁ偉そうに語っている僕自身も、『就職のため』という理由のみで大学院を辞められなかったんですよ。
特に自分が理系ということもあって、大学院をちゃんと卒業して専攻分野での就職を目指さないと就職口なんて他にないだろうと思っていたんです。
現に、「ちょっとでも風向きが変われば…」と思って専門外のマスコミ関係や出版社なども受けてはみたんですけど、結局どこにも引っかかりませんでした。
本気でマスコミや出版業を目指そうと思っていたわけでもなく、
専門分野に熱中できなくて漠然と大学院を辞めたいと思っていた僕は、「とりあえず他業種も受けてみよう」くらいの浅知恵しか働かなくて、それ以外に現状を変える努力なんて一つもしていませんでした。
そして結局、大学院で専攻していた知的財産分野でとある大手メーカーへの内定が決まり、大学院も無事卒業しました。
ちょうど東日本大震災に見舞われた当時、就職氷河期と呼ばれた時期だったので、なんだかんだ大手メーカーに就職できたことで「やっぱり大学院を辞めなくてよかったな」と思ったものです。
大学院を辞めたい人は会社も辞めたくなる
大学院修士の2年間を耐え抜いた僕は、とある大手メーカーに就職して社会人の第一歩を踏み出したわけですが、数年後にはこう思うようになっていました。
どこにいても気持ちが続かないというか。
ただ僕の場合、キャリアアップに対するモチベーションはすごく高くて、当時は給料を自己投資に使って就業時間外も専門分野や英語の勉強をしていたし、社内でも自分の仕事ぶりを上司にアピールするかのようにバリバリ頑張っていました。
自己投資を会社にした20代と自分にした30代|本気で人生変わった体験。そんな努力の甲斐もあって、上司からは割と良い評価を受けていたし、このまま突き進めばいずれは役職につけるだろうなっていう自信もありました。
こんなこと自分で言っちゃうのは痛々しいんですけど、少なくともキャリアップという高みを目指して実際に努力の日々を送っていたし、大学院の頃とは違ってそれなりにモチベーションは高かったんですよ。
でも、やっぱり会社を辞めたいと思うようになった。
なぜかと言えば、それは大学院の頃に抱いていた感情と全く同じ。
“やりたくないこと”を我慢してやっているだけだから。
結局、どんなにキャリアアップに対するモチベーションが高かろうが、実際に出世して給料が跳ね上がろうが、やりたくもない面倒な仕事をただただ我慢してこなし続ける毎日って地獄なんですよ。
そして、大学院で専攻分野の勉強に苦痛を感じながらも、「辞めたいけど就職のため…」と割り切って何とか就職までこぎ着けた人は、十中八九僕と同じように会社も辞めたくなるときがきます。
そもそも、就職のために大学院を辞めれない人、特に理系だからという理由で惰性のまま大学院へ進学しちゃった人って、専攻分野を活かして就職活動をするわけじゃないですか。
少し専攻から離れて就職活動をするにしても、例えばメーカーの営業職を受けるとかその程度のもの。
就職により今の専攻から大きく道を逸れて、全くの異分野という新天地で一からスタートするなんて、相当稀なケースなんですよ。
そんなバイタリティ溢れる人はそもそも大学院を辞めるか辞めないかみたいなことで悩んだりしないでしょうしね。
つまり、大学院を辞めたいなと思いながら何とか専攻を活かして就職した人は、大学院から引き続き会社でも「興味のないこと」や「苦痛を伴うこと」に一生向き合わないといけないわけで、会社も辞めたいと思うときがくるんですよ。
しかも、大学院でやることは『勉強』ですけど、会社でやることは『仕事』ですからね。
のしかかってくる重圧は圧倒的に会社の方が大きいです。
会社の場合…
- 毎月のように必達のノルマが課される
- クライアントがいるのでデッドラインを必ず守らないといけない
- マルチタスクをこなし続けないといけない
大学院は全て自己責任で修論に向けた一本道を走りきればいいだけなんですけど、会社だと当然そうもいきません。
上司、チーム、クライアントといった相手との関係の中で仕事をするわけで、これら全てが自分にとって「やりたくないけど我慢してでもやらざるをえないこと」なら、大学院とは比べ物にならないくらい地獄ですよ。
僕の場合は、キャリアアップに対するモチベーションが高かったのと、知的財産の法律や判例の勉強が好きだったので、まだ少しは耐えられました。
だけど、知財部の仕事は法律が全てではなく、特許出願の書類を書くためには発明に関する技術知識の習得も必須。
例えば、タッチパネルの発明を特許出願をするには、タッチパネルの動作をちゃんと説明できるだけの技術知識が必要なんですよ。
大学院時代からそうだったんですけど、僕にとってはこの技術知識の習得が何より苦痛で(普通に話を聞くぶんには楽しいですよ)、そんな感情を抱えたまま就職してしまったがために、どれだけモチベーションが高くても「会社を辞めたい」「今の仕事が一生続くのは嫌」という感情が勝ってしまいました。
特に、専門分野に興味がないまま大学院に進学してしまった理系の人は、「就職すれば何かが変わる」と期待しない方がいい。
人生に響くのが怖くて会社を一生辞められない
会社を辞めたいと思っても、そう簡単に辞められるものでもありません。
会社を辞めるという決断は、大学院を辞めるという決断に比になりませんからね。
先ほど、大学院を辞められない理由は就職に響くからという話をしたじゃないですか。
じゃあ、会社を辞められない理由は何に響くからだと思いますか?
もちろん、良い方向に変化する可能性だって大いにあるんですよ。
実際僕は会社を辞めてから人生が大きく好転したと思ってますし、会社を辞めたら人生終わりなんて超絶古臭い考え方です。
なんですけど、そもそも就職が怖くて大学院を辞められなかったような人が、人生そのものを揺るがす『会社を辞める』という選択をポジティブに捉えることって難しいじゃないですか。
僕自身も、今でこそ個人起業を果たしてノマド的なライフスタイルを送っていますけど、会社員時代の6年間、ずっと「こんな仕事辞めたいなぁ」と思いながらそれを押し殺すようにキャリアアップのため会社の仕事に耐え続けていました。
途中で副業をはじめて、会社を辞める1年前くらには既に本業を超える副収入があったんだけど、それでも会社を辞める決断ができたのは30歳を超えてから。
大学院を辞めたくても辞められなかったあの頃の僕の性格は、会社に入ってからも何も変わっていなくて、「辞めることによるマイナス」だけを考えてしまうんですよね。
その結果、やりたくないことに耐え続ける生活が続いていつの間にか30歳を超えてしまったわけで、副業をとおして働き方を見つめ直す機会に恵まれなければ今もなお耐え続けていたかもしれません。
しんどい仕事に耐え続ける30代へ伝えたい個人で働き方をつくる方法。大学院なんて、修士過程なら2年、博士課程なら3年、たったそれだけの期間を耐えればいいだけじゃないですか。
でも、会社員という期間は何十年も続くんです。
「就職に響く」という呪縛はたった2年~3年耐えれば消えていく。
「人生に響く」という呪縛は一生付き纏う。
大学院を辞めたいと思ったら小さな起業の種を蒔こう
大学院を辞めたいと思っている人は、何とか耐え抜いて卒業に至ったとしても、そのレールの延長線上で就職してしまうことによりいずれ会社も辞めたいと思うようになります。
そうなると、ひたすらに我慢の日々を送ることになる。
これじゃあ一生つまらないし、どうせなら自分の人生のライフバリューは高くありたいじゃないですか。
だからこそ、「大学院を辞めたい」と思っている今このときに、やっておくべきことがあります。
今のうちに就職以外の働き方のカードを作っておくべき。
いつでも会社というレールを逸れることができるように、小さな起業の種を蒔いておくべき。
僕が今の知識と経験を持って大学院時代に戻れるなら、絶対に何かしら起業の種になるような行動を起こします。
起業と言っても、そんな大それたことをしろって言ってるんじゃないんです。
- 大学院をスパッと辞め
- 多額の融資を受け
- 一か八か飲食店をオープン
そもそも大学院すら辞めれなかった僕がそんな一大決心できるわけない。
僕が言っている「起業の種を蒔く」というのは、バイト代程度の低予算で始められるネットビジネスなどで少しでもいいから収入を生み出せるようになっておくということ。
要するに、今のうちに『自分で収入を生み出す手段』を作っておき、就職して会社から給料をもらうという手段以外にも働き方の選択肢を拡げておくべきだってことですね。
ただし、ここで注意点があります。
例えば、大学院がどんなに辛くても、辞めずに卒業まで耐え抜くことができれば、社会人になってどんな分野に進むにしても間違いなく大きな糧になります。
どんなに楽しい仕事にも、辛いときやしんどいときは必ずありますし、そんなときに「あの大学院生活を乗り切ったんだから」と思えたら強いですよ。
そして、辛い大学院生活を乗り切った後は、その流れで就職したって全然いいと思います。
大学院時代に『自分で収入を生み出すスキル』を身につけたとしても、いきなり就職という選択肢を捨てる必要はないし、そのスキルを持ったまま会社員になってみるのも悪くないです。
- 会社での仕事が心底好きになるかもしれない。
- 思いもよらぬ異動で最高の仕事に巡り会うかもしれない。
- 辛い仕事に立ち向かう経験値が貯まるかもしれない。
決して悪いことだけじゃないんですよ。
結局のところ、大学院を辞めようが辞めまいが、就職しようがしまいが、そんなことはどっちだっていいんです。
どっちだっていいと思えるように、今のうちに自分で収入を生み出すスキルを身につけておくんです。
小さな起業の種を蒔き、
「どっちに転んでもいいように、自分の好きな方へ移動できるように」働き方の選択肢を拡げておく。
これこそが、大学院を辞めたくてモヤモヤした気持ちを抱えている人が今この瞬間からやるべきこと。
今の時代、個人レベルでスタートアップできるビジネスなんていくらでもありますからね。
しかも、SNSやブログをとおして自己発信することが容易になった今、スタートアップのビジネスを起点として自分なりのオリジナルの働き方を作っていくことだって難しいことではありません。
当Life Buffering Mediaでは、『自分だけの楽しくて仕方がない働き方を発明しよう』と繰り返し語っていますが、発明なんてちょっとした変化で簡単に生まれるもので、「そんな難しそうなこと自分には出来そうもない…」とか考えなくてもいいんですよ。
ネットビジネスを小遣い稼ぎで終わらせない!『Life Buffering!』で現実を理想へ溶け込ませる生き方 part.1企業の知財部で多くの発明の特許出願に関わってきた僕が言うので、そこは間違いないかと。
結局、やるかやらないかの違いだけです。
そう思う人もいるかもしれませんが、もはや国を挙げて副業や兼業を推奨する時代、そもそも副業を禁止する規定を設けるような古臭い企業なんてどんどん淘汰されていきます。
直近で言えば、2017年に厚生労働省が「働き方改革実行計画」で副業・兼業の促進に関するガイドラインをまとめていますね。
企業の対応
(1) 裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。
副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる。
引用元:厚生労働省HP(副業・兼業の促進に関するガイドライン)
こういった現状を踏まえても、もはや副業や兼業という働き方は当たり前になっていくわけで、たった今「大学院がつまらない」と思いながらも、そのレールの延長線上で就職しようとしている人は、今のうちにレールから外れた働き方の選択肢を作っておくべきです。
就職も起業も働き方の選択肢の一つ。そう思えたら最強。
大学院を辞められない根源的な理由は「就職できなかったらどうしよう…」というところにありますが、結局は就職なんて働き方の選択肢の一つにしか過ぎないんですよ。
働き方の選択肢
- 就職して会社での仕事一本で働く
- 会社で働き、収入を増やすために副業をする
- 会社で働き、副業に心の拠り所を求める
- 会社を辞め、副業をもとに起業する
- 就職もせずにいきなり起業する
どれが正解で、どれが不正解というわけではないんです。
全て平等に働き方の選択肢の一つでしかない。
僕は今、「会社を辞め、副業をもとに起業する」という選択をしました。
起業というと大層ご立派なイメージがあるかもしれませんが、実際のところはフリーランスのノマドワーカー的な働き方をしていて、組織も作らず個人で活動しているので、皆さんが想像するような「飲食店を多店舗経営するやり手のビジネスオーナー」とは全然違うんですけどね。
むしろ、個人レベルで自由なノマド生活を楽しみつつ大きな収入を生んでいけるのは、ネットやSNSが発展した今の時代ならではの働き方なのかもしれません。
僕は今の生活に満足しているし、時間はかかったけどこの働き方を選んで良かったなと思っていますが、かといって会社員を否定したり、兼業で満足している人に「起業した方が絶対いいよ!」と言ったりするつもりは全くないんです。
人によっては、会社員としての仕事が楽しくて仕方ないかもしれないし、副業で少しの副収入を得る生活が自分には合ってると思うかもしれないし。
もしも大学院時代をただただ就職のために我慢して過ごしていたとするなら、就職後、働き方の選択肢がめちゃくちゃ限定されるんですよ。
これでは、「会社の仕事が合わないな」とか「会社辞めたいな」と思ったときに心の逃げ場がなくなってしまう。
これってまさしく過去の僕自身で、会社での仕事に対して「なんか違うんだよなぁ」と思いながらも、それ以外の選択肢がなかったのでただ耐え忍ぶ日々を送っていたんですよね。
ある時期に「本当にこのまま人生終わっていくの?めちゃくちゃ怖いんだけど…」と一念発起して副業を始めるんですけど、会社の仕事に多くの時間を費やさざるを得ない以上、隙間時間で少しずつ副業の実績を積むしかなかったので、結構しんどい思いをしました。
まあ、当時はネットビジネスの正しいやり方を理解していなかったというのも、時間がかかった原因の一つですけどね。
副業せどりで月商100万円を達成した方法|当時の流れと考えていたことをまとめました。自分は諦めなかったのでどうにかこうにか今のライフスタイルに至りましたけど、ここで諦めた人も何人も見ています。
だからこそ、大学院を辞めたいと思っている今が一番大事なんですよ。
今なら会社に就職する前に、起業の種となるネットビジネスに自由に取り組むことができる。
そして、その起業の種を働き方の選択肢の一つとして携え、就職することも、そのまま起業することも、兼業を経て起業を決意することも、思いのままになる。
もちろん、「会社最高!この会社に一生貢献していきたい!」と思うなら、その起業の種は思い切って捨ててしまってもいいし、会社へ貢献するために役立ててもいい。
特に、今僕が取り組んでいる情報発信なんて、インターネットの世界だからこそ成立するビジネスで、ここで培うWebマーケティングやブランディングのスキルってどんな分野にも応用が効くので、最終的に就職した会社一本で働くとしても有益だったりします。
情報発信ブログは稼ぐ手段じゃなく働き方を創る空間。僕がせどりから情報発信へ進んで感じた大きな価値。このように、「大学院を辞めたい」と思っている今のうちに働き方の選択肢を拡げておけば、いずれやってくるかもしれない「会社を辞めたい」という時期に心の平穏を保つことができるので、起業の種蒔きとしてネットビジネスに取り組んでみては如何でしょうか。
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